月夜野美術研究所

群馬県みなかみ町の美しい自然に囲まれた旅行気分で通える小人数制絵画教室、絵画・美術作品搬入搬出代行(拠点:群馬県)、油彩絵画作品販売

所在地

〒379-1303 群馬県利根郡みなかみ町
            上牧2242-5

製作過程
2014年製作、2015年日本芸術協会、国際公募アート未来展出品
2016年 日本の美術全国選抜作家展出品
「奏」M50の製作過程です。

当作品は2014年時点の技術です。
製作技術は日々向上しております。
最新技術による製作過程も纏まり次第公開予定。


構図構想

人物、ピアノの画面への収まり具合を何度も検討しながら
木炭で大まかな配置を描き、配置決定後定着液で木炭を画面に固定させる。
モデルの着用していたパンプスのデザインが可愛らしくて
ダンパーペダルの操作はグランドピアノの演奏において重要なので
全身を収めたかったが、横長感を強調して下端を切った方が
画面に緊張感が出ると思われるので、全身収めるのは中止した。
本来、この段回でデッサンを完成させるべきであるが
構図が変わる可能性がある事と、修正しながら描くので大まかな配置レベルで次の工程に進む。

下地塗り

固有色での塗込みを進める前に、中間色を揮発性油で薄く溶いて画面全体に塗る。
使用した色は今回はこの工程の定番のイエローオーカーだが
作品の色味によって別の色を使う時もある。

下塗り

固有色を塗る前に、透明色の赤を用いて、デッサンの確認の意味も含め
外形線、暗部を塗る。肌色暗部には薄くて見にくいが、透明色緑も使用。
使用油は揮発性油のみ。

固有色塗込み1回目

1周目の着彩は硬い筆(豚毛)で画面に絵具の粒子をすり込ませるように塗る。
経年変化による絵具の剥離を防ぐ為に品質管理上重要な工程である。
この段階では、揮発性油に僅かに乾性油を足している。
今後の工程で揮発性油・乾性油・艶出し樹脂の配合比は
堅牢な画面の作成と仕上がり具合において重要となる

塗込み工程

軟らかい筆に切り替えて、丁寧に塗って描き込んでいく
筆跡も極力残さない様に塗っていく。
写真は軟毛筆で5周塗った状態。
この周回あたりから細部は面相筆を使用して描き込んでいく。
デッサン修正したり、床と背景色も吟味しながら塗る周回を重ねていく。
周回を重ねるにつれ揮発性油に足す乾性油と艶出し樹脂の配合量を増やしていく。

塗込み工程終了

写真は軟毛筆で10周塗った状態。
塗込み工程は終了でこれから、細部・質感を追求して仕上げに向かう。
ピアノの部品の1つ1つ、編上げた髪型の質感、着衣の繊細な質感、肌の色味、ピアノの重量感等
美しいと感動した点を心して描き仕上げていく。
細部でデッサンの修正が必要だったり、固有色の明暗のみで描くと
色味が乏しいのでその点に留意していく。
近年、女性向け化粧品・ストッキングの技術の進歩で肌色はより美しく見えるが
そのまま描くと絵画としては色味に乏しいので色調豊かに描く必要あり。


人物を軽く描き込んだ状態
完成に向けての追求は未だ続く。


更にピアノ、床、背景を描き足した状態
背景は印象・抽象的な表現も取り入れていく。
完成が近づいてきたと思われたが、
この後に、モーツァルトピアノ協奏曲を23番、21番の順で
2週続けて生演奏を聴ける機会に恵まれ、率直な感想として
本物の演奏の感動レベルには程遠いと感じた。
ピアニストの美しさ、ピアノの造形・重量感・音色の美しさを引き出す為に更に描き込み
美しき音色響く空間を描き、仕上げの段階では手と鍵盤を奏でるようなタッチで描きたいと思う。
この作品でのモデルはブラームスを弾いて凛と引き締まった表情が魅力的だが
次回はモーツァルトを奏で、優雅で可憐な表情にも挑戦してみたい。
アトリエの家庭用・小教室用等の奥行きの短いピアノにフォーマル過ぎない清楚な衣装は
優雅で可憐な表情が良く似合うと思われる。
勿論、本職のピアニスト・スタンウェイの長いピアノ更にはオーケストラも含めた大作に
挑戦したい気持ちはある。

完成

人物・音色の美しさに対する想いを込めて、心して仕上げました。
最終的な目標とする技術レベルからすれば物足りない気もしますが、
美しいと思う題材を美しく描けたので現状では最良の結果だと思います。

今後更に、人物・音楽・絵画を追求し、更に絵画として美しい世界を
創り続けていきたいと思います。